バーボンは、アメリカ合衆国で生産されるウイスキーの一種で、特にケンタッキー州を中心に作られています。「バーボン」という名前は、フランスのブルボン朝に感謝の意を込めて名付けられたバーボン郡に由来すると言われています。
その最大の特徴は、トウモロコシを主原料とし、内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させることによって生まれる、独特の甘みと豊かな香りにあります。
バーボンを名乗るための厳格な定義
アメリカの連邦アルコール法によって、バーボンを名乗るためには以下の条件を満たす必要があります。
* アメリカ国内で製造されていること
* 原料の穀物中にトウモロコシを51%以上含んでいること
* アルコール度数80度以下で蒸溜すること
* 内側を焦がしたホワイトオークの新樽で熟成すること
* 樽詰めの際はアルコール度数62.5度以下であること
* アルコール度数40度以上で瓶詰めすること
* 「ストレートバーボン」を名乗るには2年以上の熟成が必要
これらの定義により、バーボンは他のウイスキーとは異なる、独自の風味と品質を保っています。
バーボンの製造工程
バーボンの製造は、主に以下の段階を経て行われます。
* 原料:トウモロコシを51%以上使用し、残りはライ麦、小麦、大麦麦芽などを配合します。この穀物の配合比率は「マッシュビル」と呼ばれ、各蒸留所の個性を生み出します。
* 糖化:粉砕した穀物を仕込み水(ライムストーンウォーターと呼ばれるミネラル豊富な水)と混ぜ、糖化させます。この際、前回の蒸溜廃液(バックセット)を加えてpHを調整する「サワーマッシュ方式」が一般的です。
* 発酵:糖化された液体に酵母を加え、発酵させます。この液体は「ウォッシュ」または「ビアー」と呼ばれます。
* 蒸溜:発酵液を蒸溜します。バーボンでは主に連続式蒸溜機が使われますが、中には伝統的な単式蒸溜機を用いる蒸溜所もあります。アルコール度数をあまり高くしすぎず、原料由来の風味を残すように蒸溜されます。
* 熟成:内側を焦がした新しいホワイトオーク樽に、アルコール度数62.5度以下で詰めて熟成させます。焦がした樽は、バニラやキャラメルのような甘い香りと、バーボン特有の琥珀色を生み出す重要な要素です。
* 瓶詰め:熟成が終わった原酒は、ろ過され、水でアルコール度数を調整(最低40度以上)して瓶詰めされます。
バーボンの特徴的な味わい
* 甘みとコク: トウモロコシを主原料とすることと、新樽で熟成されることで、バニラ、キャラメル、メープルシロップのような甘みが強く感じられます。
* 香ばしさ: 焦がした樽の影響で、スモーキーな香ばしさが加わります。
* 力強さ: アルコール度数が比較的高めのものが多く、力強い飲みごたえがあります。
* 複雑な風味: ライ麦や小麦の比率によって、スパイシーさや柔らかな口当たりなど、様々な表情を見せます。
おすすめのバーボン銘柄
バーボンには様々な銘柄があり、それぞれ異なる個性を持っています。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
* ジムビーム (Jim Beam): 世界で最も売れているバーボンの一つで、ライトで飲みやすく、ハイボールにも最適です。
* メーカーズマーク (Maker’s Mark): 冬小麦を使用することで、まろやかで甘く、フルーティーな香りが特徴です。赤い封蝋がトレードマーク。
* ワイルドターキー (Wild Turkey): 力強い味わいと高いアルコール度数が特徴で、スパイシーな風味と深いコクを楽しめます。
* フォアローゼス (Four Roses): 華やかな香りと、フルーティーで優しい味わいが特徴。複数の原酒をブレンドして作られます。
* ブラントン (Blanton’s): シングルバレル(単一の樽からボトリング)の先駆けとして知られ、非常に品質が高く、コレクターにも人気があります。
これらの銘柄は、バーボン入門としてもおすすめですし、それぞれの個性を飲み比べるのも楽しいでしょう。ストレート、ロック、ハイボールなど、お好みの飲み方でバーボンの魅力をお楽しみください。
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